ゴルフクラブ業界の闇~ドライバー値上げの歴史をデータで見る~

「最近ドライバーの定価が10万を超えている」
「これからも値上げが続くんだろうか」

こんちには、FOLG編集部のミキです。

原油価格の高騰や円安による輸入物価の上昇などにより、日常生活で痛感するほど物価が上昇しています。

物価の上昇はゴルフクラブにも影響を与えており、最近では新品ドライバーの定価が10万円を軽く超えてしまっています。

10数年前には定価が6万ぐらいだったことを考えると、2倍弱値上がりしている計算となりますよね。



今の値段でも貯金を頑張れば、新品ドライバーを何とか購入することができます。

割引や下取りなどを活用すると、多少なりとも購入金額を下げることは可能です。

しかしながら、これ以上の値上げが続くとそうも言ってられなくなります。




この記事ではそんなゴルフクラブの値上げについて、過去のデータをもとに分析しています。

また、今後も値段が上がり続けるのかどうか、その点についても考察。

最後までお読みいただくことで、ゴルフクラブメーカーの狙いが見えてきますよ。

この記事を書いた人

Miki/FOLG運営者
ウェブサイトを運営しながら、ゴルフショップで修行中の身。本業は自営業。大阪府在中、ゴルフ歴10年~、アベレージスコア90前後、ベストスコア84

データで見る値上げの歴史

まずは各ゴルフメーカーがどのように値上げを行ってきた解説していきます。

テイラーメイドのドライバー

ゴルフクラブメーカーとしてトップクラスの人気を誇っているテイラーメイドゴルフの値上げを見ていきます。

こちらが2012年から2025年まででテイラーメイドから発売されたドライバーの定価をプロットした図です。

物価に直接影響する消費税の歴史もあわせて記載しています。

テイラーメイドドライバーの値上げ

据え置きされている年もありますが、基本的には右肩上がりで定価が上がって行っています。

私も調査するまで気づかなかったのですが、物価高と言われるもっと前からしれっと値上げされていたのです。

毎年、数千円単位で値上げされるので気づきにくく、おそらくこの流れは続いていくでしょう。

為替レートで比較してみる

テイラーメイドはアメリカのゴルフクラブメーカーです。

海外製の製品であるため、為替レートの影響があるものと考えていましたが、あまり関連性は見られませんでした。

ゴルフクラブ値上げ 為替ベース

為替レートをもとにドルベースの定価を算出しても、無茶苦茶な値段になるため、基本的に日本市場の相場を基準にしているのがよくわかります。

また、テイラーメイドのゴルフクラブは原作国が複数あることも関係しているようです。

*ちなみにカスタムクラブなどは「TaylorMade Custom TOKYO(TMC_TOKYO)」で製造されます

消費者物価指数と比較

こちらが日本の物価変動がわかる消費者物価指数とドライバー値上げの比較です。

物価指数と値上げ

一見、物価上昇にあわせて値上げしているように見えますが、これにはからくりがあります。

まず、物価指数の上昇ですが、2012年から2020年までの間はけっこう緩やかな動きになっています。

実際、8年間で5%の範囲ですので、ほとんど横ばいと言ってもいいレベルです。

一方、ドライバーの定価の方は、2012年の約6万円から2020年の約8万5千円と1.4倍近く値上がりしています。

明らかに物価に関係なく、ゴルフクラブだけ値上げされています。




最近はいろんな物の値段が上がっており、世間的に物価高と言われる機会が多くなりました。

そのため、ドライバーの値段が10万円を超えていても、「物価高だから仕方ないかな」と思ってしまいがちです。

しかしながら、実際は毎年コツコツゆっくり値上げされていたのです。

茹でガエル現象ではありませんが、みんなが気付きにくいような値上げを仕掛けられていたのです。

キャロウェイとブリヂストン

これまでテイラーメイドの値上げを見てきましたが、他のメーカーがどうなっているのか?もあわせて調査しました。

テイラーメイド同様に人気ブランドであるキャロウェイと、国産のブリヂストンゴルフの値動きをプロットしています。

キャロウェイとブリヂストンの値上げ

比べるとわかりやすいですが、どのブランドも同じような値上げを実施しています。

昔はブリヂストンゴルフの方が定価が高く設定されていましたが、今ではキャロウェイやテイラーメイドの方が高いですね。

また、テイラーメイドに比べると、キャロウェイの方が値上げスピードが若干早いように見えます。

キャロウェイが値上げしたのを、テイラーメイドが追随している感じでしょうかね。

ゴルフクラブの定価はどうやって決めるのか?

ここではゴルフクラブの価格がどうやって決まっていくのか?を解説していきます。

私自身、ネットショッピングなどで自分の商品を販売した経験がありますが、値付けはとてもシビアで難しい作業です。

販売価格の設定を間違えると、売り上げが大きく下がったり、利益が無くなって赤字になってしまうケースがあります。

原価や仕入れで決まるわけではない

ゴルフクラブ値段の内訳

世間一般的なイメージでいうと、価格設定は原材料費や人件費、広告宣伝費などに利益を上乗せて計算されると思われがちです。

しかし、実際はそんな単純な話ではありません。

単発で販売したり、個人で取引する分にはそれで問題ないのですが、商売は売り続けないといけません。

誰が見ても魅力的なオファー(価格と商品)でないと、売れ続けることは不可能なのです。

大事なのは相場

価格設定で大事なのは、「その値段で売れるかどうか?」です。

それ以上でもそれ以下でもありません。

消費者は自分の支払う金額にそのサービスが見合っているかどうかだけで判断します。

これはゴルフクラブにおいても同様です。

相場は誰かが上げている

値上げのまとめ

これまでテイラーメイドやキャロウェイ、ブリヂストンゴルフのドライバー定価を見てきました。

そして、相場にあわせて各メーカーが値上げしているのがよくわかると思います。

どのメーカーが先陣を切って値上げしているのかはその時々で変わります。

ただ、面倒なのは全メーカーがほぼ同時期に値上げしていくため、ユーザー側は気づかないことです。

グラフや時系列で振り返ると、大幅に値上げされているのがわかりますが、普通に買い物しているだけでは全くわからないことも多いのです。

最近は食料品などいろんなものやサービスがインフレしているので気づく方も増えてきましたが、実は値上げは毎年行われていたのです。

極端にゴルフクラブが売れなくなったりしない限り、メーカーが定価を据え置きすることはないと考えられます。

そして、この値上げの流れは今後もずっと続いていくでしょう。

ゴルファーはそれを理解する必要があります。

やはり型落ち品がねらい目

最近では型落ちクラブの需要がどんどん増えていっています。

新品の価格がバカみたいに上がってきたので、当たり前と言えば当たり前です。

型落ちになった瞬間、相場が定価の半分以下になることがよくあります。

さらに型落ち品はその後売れないとどんどん相場が下がっていくため、買うタイミングによってはかなり割安でドライバーを購入できます。



私はゴルフショップで最新モデルのドライバーを販売しています。

仕事なので一生懸命セールスしていますが、やはり心のどこかで「値段が高すぎる」と感じています。

何より自分がゴルフクラブを購入するときは基本的に型落ち品ばかり購入しています。

アイアンセットなどカスタムが必要なものは難しいですが、ドライバーやウッド系、ウェッジ・パターなどは知識さえしっかり持っていれば、型落ち品で十分揃います。

フォルグでは新品で購入できるお得な型落ちゴルフクラブをまとめています。

こちらに記事のリンクをまとめていますので、よければチェックしてくださいね。

〇型落ちドライバー

〇型落ちアイアン

〇型落ちウェッジ

〇型落ちウッド

〇型落ちユーティリティ

〇型落ちパター