Qi10ドライバーの評価~テイラーメイドの鬼慣性モーメントドライバー~

テイラーメイドから2024年の新作ドライバーであるQi10シリーズが発売されました。

ステルスシリーズからカーボンウッドの3作目ということで非常に注目が集まっています。

また、曲がりにくさや出球の安定性に関係する慣性モーメントが非常に高い数値であることも話題となりました。

この記事ではそんなQi10ドライバーの評価や特徴、口コミ情報をまとめています。

この記事を書いた人

Miki/FOLG運営者
ウェブサイトを運営しながら、ゴルフショップで修行中の身。本業は自営業。大阪府在中、ゴルフ歴10年~、アベレージスコア90前後、ベストスコア84

Qi10ドライバーの特徴や性能

まずはQi10ドライバーの特徴や性能をチェックしましょう。

曲がりに強い高慣性モーメント

今回のQi10は慣性モーメントの最大化を探求したモデルという意味合いで名づけされています。
(Quest=探求、Inertia=慣性、10K=10,000)

慣性モーメントとは簡単に言うと、”スイング中のヘッドのブレにくさ”を表した数値となります。

インパクト時のギア効果を抑えたり、スイング中のヘッドの開閉を抑制します。

あまり練習時間が取れず、打点が安定しないアマチュアゴルファーには、慣性モーメントが高いドライバーがおすすめだったりします。



そして、今作のQi10ドライバーは慣性モーメントの大きさがウリのドライバーです。

特にQi10 MAXドライバーは横方向と縦方向の慣性モーメントを合わせた数値が10,000g・cm2越えています。

この慣性モーメントは過去のテイラーメイドドライバーと比較してもかなり高い数値です。

また、Qi10ドライバーにもアマチュアの打点を研究して作られたツイストフェースが採用されています。

ツイストフェース+10K 慣性モーメントで、ボールがトー側やヒール側に当たったときのブレが大幅に軽減されます。

ドライバーのOB軽減や平均飛距離のアップなど、得られるメリットが大きいドライバーですね。

カーボンをたくさん使ったヘッド

前作のステルスシリーズ同様に、Qi10ドライバーはカーボン素材を使ったツイストフェースになっています。

ただし、フェースはレッドカラーではなく、ブルーを基調にしたクールなデザインに変更されました。

個人的には赤い方が好きなのですが、ブルーのフェースも結構渋いですね。



シャロータイプのヘッドですが、従来よりもバックフェース方向に8mm長さを延長。
(Qi10 MAXドライバーの場合)

構えた時には今までと違うヘッドの大きさを感じます。

クラウン部分はカーボン比率が上昇し、より軽量化を実現。

余剰重量が増えたことで、ヘッド内部やクラウン外周部分に重量を再配分できています。

このカーボンをふんだんに使ったヘッドによって、高慣性モーメントのドライバーが実現できています。

Qi10ドライバー4モデル、それぞれの違い

もともと今作はスペック違いで3モデル(ウィメンズモデルを除く)が展開されていましたが、総重量が軽いQi10 MAX LITEドライバーが24年3月に追加されています。

そして、上の図が各モデルのプロット図です。

あくまでイメージですが、こちらを参考に自分に合いそうなモデルをチェックしましょう。

性能の違い

慣性モーメントが10,000g・cm2を超えているのは、Qi10 MAXドライバーのみとなっています。

MAX LITEもMAX同様に大きいヘッドですが、慣性モーメント10Kについて明記されているわけではないことに注意しましょう。

また、基本的にライ角はモデルごとに2°づつずれており、Qi10 MAXドライバーが一番捕まりやすいドライバーです。

低重心設計なので球も上げやすく、ステルス2HDの後継という立ち位置になっています。

Qi10ドライバーがスタンダードモデルになりますが、慣性モーメントの大きさはステルス2HDに近い値です。

ちなみに、Qi10LSドライバーはステルス+系の後継になります。

シリーズを通して易しいドライバーに設計されていますので、ステルスシリーズから移行する場合は少し違和感や物足りなさを感じる場合があるかもしれません。

ただし、飛距離性能などは前作より上がっているという評価もありますので、より進化したカーボンウッドと言えるでしょう。

ヘッドの違いやヘッドスピードの目安

ヘッドの形状は4モデルで結構変わります。

Qi10 MAXドライバーがシャロータイプでヘッドが一番大きく見えます。

また、MAX LITEも大きいですが、全体的なデザインがネイビー基調になっており、かなり見た目に違いがあります。

逆にLSはディープよりで、同じ460ccなのに小振りに見えるヘッドになっています。

ちなみにLSはセレクトショップ限定モデルです。

店舗やネットモールにあまり出回らないモデルとなっており、カスタムで注文するか、テイラーメイド公式ページから注文する必要があります。

〇ヘッドスピードの目安

  • Qi10 MAX・・・~45m/s
  • Qi10 MAX LITE・・・~40m/s
  • Qi10 ・・・40~47m/s
  • Qi10 LS ・・・47m/s~

Qi10ドライバーの評価・口コミまとめ

まだ、一般販売されていないため、試打をされた方たちの口コミや感想をまとめています。

Qi10 MAXドライバーの口コミをまとめた内容は以下の通り。

  • トーヒットしたときも左に巻かない、球がぶれない
  • スピンは結構入る
  • チーピンが出にくい印象、つかまりはそこまで
  • ステルス2とあまり性能差が感じられない
  • ピンのドライバー並みに曲がらない
  • よりボールが上げやすくなった
  • ステルスと飛距離は変わらない
  • チタンヘッドに比べると曲がらないが飛ばない

*参考
GDOショップの口コミ


今作のQi10もカーボンフェースですが、打感はステルスシリーズに比べると、少し弾き感が出るようになっています。

打音も金属音に近く、チタンフェースに慣れてる人でも、違和感はかなり少なく打てそうです。

飛距離性能は今までとたいして差はない、もしくは人によってはスピンが入りすぎて距離が落ちる場合があります。

今作は易しさや打ちやすさ、球の上げやすさにかなりこだわって設計された印象を受けます。

Qi10ドライバーのスペックまとめ

ここではQi10ドライバーのスペックをまとめています。

シャフト

シャフトのラインナップは以下の通りです。

純正がテンセイからディアマナに変わっています。

フレックス トルク キックポイント 重量 ヘッド
Diamana BLUE TM50 R/SR/S 4.9/4.6/4.3 54/56/58 Qi10 Max、Qi10
Tour AD VF-6 S 3.3 中元 65 Qi10、Qi10 LS
SPEEDER NX BLACK 60 S 3.8 先中 65.5 Qi10、Qi10 LS
DiamanaWB 63 S 3.1 61 Qi10、Qi10 LS
Diamana SILVER TM50 R/SR/S 4.3/4.0/3.6 中元 55/57/60 Qi10 LS
Speeder NX BLUE for TM R/S 7.0/6.5 先中 43/47 Qi10 MAX LITE

Qi10 MAX ドライバー

*ロフト12度はカスタムメイドクラブのみ対応

Qi10 MAXドライバー
定価 95,700円 税込
発売日 2024/02/02
参考価格 68,000円
ヘッド体積 460cc
長さ 45.25インチ
フレックス S/SR/R
ロフト角 9.5/10.5/12
ライ角 58 (STD) – 62 (UPRT)
バランス D3~D3.5

Qi10ドライバー

*ロフト12度はカスタムメイドクラブのみ対応

Qi10 MAXドライバー
定価 95,700円 税込
発売日 2024/2/2
参考価格 86,000円
ヘッド体積 460cc
長さ 45.25~45.5インチ
フレックス S/SR/R
ロフト角 9.5/10.5/12
ライ角 56 (STD) – 60 (UPRT)
バランス D1.5~D2、D3~D3.5

Qi10 LSドライバー

*ロフト12度はカスタムメイドクラブのみ対応

Qi10 LSドライバー
定価 99,000円 税込
発売日 2024/2/2
参考価格 92,000円
ヘッド体積 460cc
長さ 45.25~45.5インチ
フレックス S/SR/R
ロフト角 9.5/10.5/12
ライ角 54 (STD) – 58 (UPRT)
バランス D2~D3、D3.5~D4

Qi10 MAX LITEドライバー

取扱店舗がかなり少ないので注意。

Qi10 MAX LITEドライバー
定価 99,000円 税込
発売日 2024/3/22
参考価格 99,000円
ヘッド体積 460cc
長さ 45.25インチ
フレックス S/R
ロフト角 10.5
ライ角 58 (STD) – 62 (UPRT)
バランス D0

キャロウェイのパラダイムAiスモークとの違い

Qi10シリーズと同時期に発売されたのが、キャロウェイのパラダイムAiスモークドライバーです。

こちらも曲がらないという点がウリのドライバーですが、Qi10シリーズとは設計思想がかなり違います。

パラダイムAiスモークは20万人以上のゴルファーのインパクトデータを解析し、フェース面の構造を最適化することで曲がりにくいドライバーを作りました。

データの解析やフェース面の設計など、すべてAiが計算を行ったのでAiスモークという名前が付けられています。



高い慣性モーメントを追求したQi10ドライバーと異なり、Aiスモークはそこまで慣性モーメントが高いドライバーではありません。

しかしながら、「曲がらない」ということで評価が高いドライバーです。

高慣性モーメントドライバーはデメリットとして、

  • フェースコントロールしにくい
  • 振り抜きが悪い



という点がありますが、Aiスモークにはこのような欠点がありません。

高慣性モーメントのドライバーが苦手な場合はパラダイムAiスモークがおすすめですよ。



パラダイムAiスモークドライバーに関しては、別記事で詳細に解説しています。

気になる場合は一度チェックしてみてくださいね。