ドライバーヘッドの選び方~クラブヘッドの重心を理解する~

「クラブの重心ってよく聞くけど、何のことかさっぱりわからない、、、」
「お気に入りのシャフトを持ってるけど、ドライバーヘッドをどうしようか悩んでいる」

こんちには、FOLG編集部のミキです。

世の中にはいろんなメーカーからたくさんの種類のドライバーが発売されています。

そのため、「その中から自分にマッチするドライバーを探す」のは、非常に大変な作業と言えます。



とはいえ、それを”めんどくさがり”闇雲にドライバーを選び出すと、失敗するリスクが非常に高くなります。

万人に合うドライバーがあればいいのですが、ゴルファーそれぞれにスイングの特徴がありますし、出やすい球筋などにも個人差があります。

一番確実なのは気になるクラブをすべてコースやシミュレーターで試打することでありますが、時間や費用に限りがあるアマチュアゴルファーにはすべてのクラブをチェックすることは不可能に近いです。



そのため、できるだけ自分のスイングの特徴や感覚にあうドライバーヘッドを事前に「絞ることができれば自分に合うクラブヘッドを見つけやすく」なります。

この記事ではそんなドライバーヘッドを選ぶ際の注意ポイントを解説しています。

この記事を書いた人

Miki/FOLG運営者
ゴルフ好きの経営者。モットーは”読者の方にマッチした情報をお届けする”こと。兵庫県在中、ゴルフ歴15年、アベレージスコア90前後、ベストスコア85

ドライバーヘッドの選び方

ドライバーヘッドを選ぶときに注意したいポイントは以下の4つです。

  1. ヘッドの重さ
  2. ヘッドの大きさ
  3. ヘッドの顔
  4. ヘッドの重心位置

ヘッドの重さ

ヘッドの重さはドライバーの総重量に関係してきます。

そして、決まったシャフトを持っている場合はヘッドとシャフトとのバランス(比率)に注意する必要があります。
*A1~E9までアルファベットと数字で表す。Aが一番ヘッドが軽い。



ゴルフクラブはできるだけ重い方がより大きいエネルギーを出せるので飛ばしに有利になりますが、実際は重くなるにつれてスイングスピードやヘッドスピードを維持することが難しくなります。

そのため、自分が最大限速く振れる重さの中で一番重いものを選ぶのがベストです。



また、ヘッドとシャフトのバランスは振り感や振り心地に大きく影響してきます。

「ヘッドが重い方が勝手にクラブが動いてラクに振れる」場合や「ヘッドが軽い方が自分でしっかりコントロールしている」など、人それぞれ好みがあります。

一般的にはC~Dぐらいでバランスをとることが多いので、それを目安にドライバーを実際に振ってみるのがおすすめです。

ヘッドの大きさ

ヘッドの大きさは慣性モーメントというヘッドのぶれにくさの数値に大きく関係してきます。

この慣性モーメントが大きいと多少インパクト時に打点がズレたとしても、”フェースの開閉が起きにくく”なり、球の曲がりが抑制されます。

また、スイング中のフェース開閉も抑制されるため、サイドスピンを抑えてまっすぐの球が出やすくなる効果もあります。

メリットが多いので、今のドライバーはこのデカヘッドが主流となっています。



ただし、ヘッドが大きいことで振り抜きを悪く感じる場合もあります。

その場合は少し小さい目のヘッド(440ccとか)を試してみるのもアリですね。

ヘッドの顔

ヘッドの顔とは真上から見た時のドライバーヘッドやフェースの構えやすさを表しています。

よく「顔がいい」と言われますが、これはドライバーが目標方向にフェースを合わせやすいという意味になっていますね。

ドライバーによってはわざとフェース面をスクエア(まっすぐ)に設計せず、少し被せたり・開いたりしているヘッドが存在します。

実際に構えてチェックするのが一番簡単なのですが、意識していないと見逃してしまうこともありますので注意しましょう。

ヘッドの重心位置

ヘッドの重心位置はドライバーの飛距離性能に大きく影響を及ぼします。

  • スピン量
  • 打ち出し角
  • ボールの捕まり

などに大きく関係してきます。

ヘッドで選びで一番注意しなきゃいけないのがこの重心位置だったりします。

重心に関しては次の項目で詳しく解説していますので、知識がない場合はしっかりチェックしましょう。

クラブヘッドの重心とは

物理的な説明だと難しくなるのですが、重心とは「質量の中心」にあたります。

この質量の中心がクラブヘッドのどの部分に位置しているか?がゴルフボールとインパクトするときにたいへん重要になります。



そして、ゴルフクラブでは重心の位置を数値化しており、具体的には


  • 重心距離
  • 重心深度
  • 重心高
  • 重心角

という項目で表されています。

ヘッドの重心距離

重心距離とは”シャフトの延長線上の線からフェース面の重心までの距離”です。

ゴルフクラブも野球やテニス、卓球などのようにシャフト軸上に重心を持ってくる方が操作は非常に簡単になります。

とはいえ、大体のゴルフクラブがそうなっていないのは、「シャフト軸上に重心を持ってくると飛ばなくなる」ためです。



シャフト軸上から重心の位置を離すことによって、インパクト時のエネルギーを大きくすることができます。

物理的な理由なので詳細は割愛しますが、大事なのは”重心距離が長くなればなるほどインパクトのエネルギーが大きくなる”ということです。



また、ヘッドのローテーション(ターン)も重心距離が長くなるほど緩やかになるので、フェースが右を向いてインパクトしやすくなるという特徴もあります。

ただし、ボールが飛びやすくなる半面、ボールへのコンタクトが難しくなるということも理解しておきましょう。

ちなみに初心者向けのゴルフクラブにはあえて重心距離を短くしているタイプのものも存在します。

ヘッドの重心深度

重心深度は文字通り「重心の深さ」を表していますが、「フェース面からバックフェースまで間のどの位置に重心があるか」を表しています。

重心深度が深いほど(ヘッド後方が重くなり)フェースが上を向きやすくなるため、球が上がりやすくなります

よくヘッドのバックウエイトを調整する機能がついていますが、バックウエイトの重量を増やすことで球が上がりやすくなるのはこの原理ですね。



重心深度は深いほどボールと重心との距離が離れるため、インパクトした時の衝撃に負けずらくなり安定します。

そのため、スピン量や飛距離、方向性などが安定することになり、メリットがいっぱいあります。



しかし、ヘッドスピードが速い人やもともと球がしっかり上がっている人にはデメリットになることがあります。

その人たちにとっては「球が吹き上がって全然飛ばない」ヘッドという風になってしまうからですね。

そのため、ゴルファーによって合う重心深度が変わってくることを覚えておきましょう。

アイアンヘッドの重心高

クラブのリーディングエッジから重心までの長さを重心高と言います。

重心が低い位置にあると物理的にヘッドがボールの下に入りやすく、ボールは上がりやすくなります。

地面から打つクラブは重心位置が低めに設定されていることが多いです。

ただし、低くしすぎるとラフなどのボールが浮いた状態でインパクトした時にスピン量が大きく減ることがあります。
(ギア効果で重心の上に打点がくると、スピン量が減ってしまいます)

*ギア効果についてはこちら
ギア効果がゴルフボールに与える影響~原理をしればミスショットを減らせる~

ドライバー以外のクラブは縦距離やスピン量の安定感が非常に大事ですから、低重心化したクラブはそういった面では不利になります。

スピンや縦距離の安定性や追求するならある程度重心が高いほうが良いでしょう。

ドライバーヘッドの重心高

ドライバーの場合は数値の出し方がアイアンなどと反対になります。

クラウン側から重心までの距離を重心高または有効打点距離と呼んでいます。

重心より高い位置に打点が来ると、ギア効果によりスピン量が減少します。

そのため、ドライバーの重心高はできるだけ高いほうがメリットがあるように思えますが、打点のバラツキで出球が安定しないというデメリットもあります。

要するにここもバランスなんですが、ドライバーの球を自分でしっかり上げれてスピン量も安定している人は、わざわざ重心が高いドライバーを選ぶ必要はありません。

ドライバーショットがフェースの下側に打点が来やすく、スピン量が多い人などはドライバーの重心が高いほうがおすすめですね。

ヘッドの重心角

自然にクラブを水平にした時に「クラブフェースがどれぐらい上を向くのか?」を表したのが重心角になります。

重心角はボールの捕まりに大きく影響します。

角度が大きいほどフェースがかえって捕まりやすくなり、数値が小さいほどチーピンなどのミスはでづらくなります。

こちらも自分のスイング特性に合わせて数値を判断するべきですが、スライサーの人は重心角が大きいタイプ、左へのミスが多い人は重心角が小さいタイプを選ぶとよいでしょう。

重心角は平らな机などにシャフトを置くだけで視覚的に判断できるため、自分の持っているクラブとこれから購入する予定のクラブで比較することが簡単ですね。

重心データから自分に合うヘッドを選ぶ

これまでクラブの重心について様々な数値を説明してきました。

クラブヘッドの構造は非常に複雑であり、さまざまなデータが数値化されています。

数値化されているデータにはそれぞれ意味があるのですが、その意味を理解することによってデータからクラブヘッドの特徴を知ることができます。

もちろん、重心を参考にドライバーヘッドを選ぶためには、各ドライバーヘッドの重心データを見ることができなければ意味がありません。

クラブメーカー側が重心データを公表することはないため、それぞれドライバーを手に取って実測する必要があります。

しかし、一般のアマチュアゴルファーがヘッドの重心位置を測定することはかなり難しいため、こういう時はゴルフ雑誌の力を借りましょう。



こちらは2023年版ですが、過去28年間のドライバーヘッドの重心データが網羅されたガイドブックになっています。

このガイドブックを持っていれば、いちいちドライバーヘッドの重心位置を調べる必要が無くなります。

非常に役に立つデータブックですので、気になる場合は一度チェックしてみてくださいね。