ギア効果がゴルフボールに与える影響~原理をしればミスショットを減らせる~

「まっすぐ振ってるのにボールが謎に曲がる」
「芯に当たらないと変な飛び方をする」

こんちには、FOLG編集部のミキです。

ゴルフボールが回転する原理は複雑であり、初心者ゴルファーがボールの曲がり方を理解するのは難しかったりします。

ただ、曲がり方の原理を理解すると、自分のスイングを修正するヒントを得られたり、クラブを選ぶ際のフィッティングがかなり簡単になります。

これからスコアアップを目指したり、自分で自分に合うクラブを見つけたい場合は、ボールの曲がり方や飛び方についてしっかり勉強するようにしましょう。



ボールが曲がる大きな理由は2つあり

  1. スイング軌道
  2. ギア効果

が、関係しています。

この記事では曲がりの原因の一つであるギア効果について詳しく解説しています。

ギア効果を理解すると、自分でゴルフクラブを選べるようになったり、意図的にボールを曲げるヒントが得られます。

なかなか最初は理解が難しいかもしれませんが、繰り返し読んで頭の中のイメージをしっかり固めましょう。

*ちなみに話がややこしくなるのでスイング軌道に関しては別記事で解説しています。

ゴルフボールが飛ぶ方向や曲がり方を解説~スライス・フックの原因がわかる~

この記事を書いた人

Miki/FOLG運営者
ウェブサイトを運営しながら、ゴルフショップで修行中の身。本業は自営業。大阪府在中、ゴルフ歴10年~、アベレージスコア90前後、ベストスコア84

ギア効果の原理

まずはギア効果がどういった原理で起こるのか?を解説していきます。

フェース面はこのようにど真ん中の芯を基準にトー側とヒール側に分かれます。

ギア効果とは?

ギア効果とはクラブヘッドの重心である芯以外にボールがインパクトした時に発生する現象です。

綺麗に芯にヒットした場合にギア効果は発生しませんが、芯以外にボールがヒットすると

  1. スライス回転
  2. フック回転
  3. 低スピン
  4. 高スピン

という影響がフェース面の当たる場所によってあります。

ちなみにギア効果はスイング軌道やフェースの向きなどに関係なく起こるのがポイントです。

そのため、スイング軌道やフェースの向きではスライス回転になるのに、ギア効果でフック回転がかかったから結果的にまっすぐ飛んだ!なんてこともよくあります。

これが非常に厄介でみんなが混乱する原因となっています。

ボールとの摩擦

ギア効果はゴルフボールとフェース面の摩擦によって発生します。

例えば、ボールがフェース面のトー側にインパクトした時を考えてみます。

クラブの重心から離れているトー側にボールがインパクトした場合、ボールと衝突した衝撃で少なからずクラブが赤矢印の方向に押されます

ヘッドが動くときにフェース面とボールとの間で摩擦が起こり、この場合はボールにフック回転(左回転)がかかることになります。

ボールがぶつかった方向にヘッドが動かされるわけですが、芯からの距離が遠くなるほどよりヘッドが動かされる量が多くなります。

そして、ヘッドが動く量に比例して摩擦は大きくなり、サイドスピンやバックスピン量に増えたり減ったりします。

そのため、芯から離れた距離の大きさに比例してギア効果が強くなるわけですね。

このギア効果はトー側のみならず、フェース面のヒール側や上側・下側にボールがインパクトした時も、同様のズレと摩擦が起こります。

ギア効果によるボールの回転

ギア効果がボールの回転に与える影響はこのようになります。

フェース面にインパクトした場所が

トー側
フェースが開きやすく、フック回転になりやすい
ヒール側
フェースが閉じやすく、スライス回転になりやすい
上側
フェースが上を向き、バックスピンが減る
下側
フェースが下を向き、バックスピンが増える

と言ったイメージです。

先ほども説明しましたが、フェース面の芯に近いほうがギア効果の影響が少なくなりますし、芯から離れるとよりギア効果の影響が大きくなります。

やはり、ギア効果の面から考えても、できるだけボールはフェース面の芯でとらえる方がミスショットになる確率が低くなるということですね。

ギア効果の影響

黄色い丸の「ヒール側でフェース面の下側」にインパクトしてしまうと、「スライス回転+バックスピン増」でボールが吹き上がってしまい全然飛びません

逆に赤い丸の芯からちょっとズレた「トー側+上側」だと、「ドロー回転+バックスピン減」で意外と飛距離が出ることが多いです。

「ドライバーで芯にとらえた感触はなかったのに、行ってみたら意外と飛んでた」みたいな現象は、だいたいこの部分にヒットしていることが多いですね。

ただし、先ほども説明したように結果的なボールの回転は

  1. スイング軌道
  2. フェースの向き
  3. ギア効果

で決まります。

ギア効果だけで曲がりが決まるわけではないので注意しましょう。

ギア効果をうまく使う人

ところでプロゴルファーやゴルフがうまい人の中には”意図的にギア効果を利用して、ボールの曲がりをコントロールする”人もいます。

アマチュアゴルファーにとっては打点のコントールがシビアなので推奨できませんが、スイングや打点コントロールに自信がある場合は挑戦してみるのもアリだと思います。

ちなみに地面から直接打つ直ドラはヒールヒットしやすいのでスライス回転がかかりやすいです。

まとめ

これまでギア効果の原理と回転方向について解説してきました。

正直、ギア効果の原理は理解が難しいと思いますので、”フェース面のどの部分に当たれば、どういう回転をするか?”ということだけ、覚えてもらえば大丈夫です。

ギア効果を覚えることができれば、ゴルフの練習などでインパクトしたボールがフェース面のどの部分に当たったか?を気にするようになります

例えば、ヒール側にボールがインパクトしてスライスした場合は、打点がズレていただけですので、次のスイングで芯に当たるように打点の修正を意識すればいいようになります。

これを理解せずにスイングの軌道を修正しようとすると、いよいよスイングが崩れていきます

そうならないように注意しましょう。



ところでFOLGではゴルフクラブの重心について解説している記事もあります。

このギア効果とクラブの重心には切っても切れない関係がありますので、ぜひ一度読んでみてくださいね。