「今使っているドライバーヘッドにいろんなシャフトを試してみたい」
「スリーブ付きのシャフトはどうやって交換すればいいのかな?」
こんにちは、FOLG運営者のミキです。
シャフトはゴルフクラブの性能をしっかり発揮するのに非常に重要な存在。
自分に合わないシャフトを使ってしまったがゆえに
- ドライバーショットのスピン量が増える
- 捕まりすぎてチーピン
- 振り遅れて右ペラ
- アイアンでのダフリ・トップが出る
などのミスショットにつながることもよくあります。
ショットを安定させるには自分のスイングタイミングに合うシャフトを探すことがとても大事です。
そして、自分に合うシャフトはいろんなシャフトを試すことで見つかる可能性が大きくなります。
昔はシャフト交換というと非常にめんどくさい作業が必要でした。
また、シャフトの交換が完了するまでそれなりに待ち時間がかかっていました。
しかし、2009年あたりからスリーブ付きのシャフトが登場したことでその状況が一変します。
クラフトマンでなくても、簡単にシャフト交換することができるようになったわけですね。
とはいえ、シャフト交換に慣れていない場合は
「そもそも何をどうしたらいいのかわからない」と迷ってしまいます。
また、「失敗してシャフトやスリーブを壊してしまったりしないかな」と心配です。
そういった方のために、この記事では実戦形式で「スリーブ付きシャフトの交換方法」を解説しています。
最後まで読むことによって、スリーブ付きシャフトの交換が簡単にできるようになりますよ。
Miki/FOLG運営者
ウェブサイトを運営しながら、ゴルフショップで修行中の身。本業は自営業。大阪府在中、ゴルフ歴10年~、アベレージスコア90前後、ベストスコア84
シャフトについてるスリーブとは?
まずシャフトについているスリーブですが、クラブのネック部分(ヘッドとシャフトの接合部)に装着されている部品になります。
上の画像の赤丸部分がスリーブになります。
ちなみにノンスリーブタイプの古いクラブはこのような形になっています。
スリーブのメリット
ノンスリーブのシャフトと違い、スリーブ付きのシャフトには大きく2つのメリットがあります。
シャフト交換がとてもラク
スリーブ付きのシャフトは交換するのがとてもラクです。
ノンスリーブの”ヘッドに直接シャフトを取り付けているタイプ”は、そもそも自力でシャフト交換をすることが難しいです。
リシャフトと言われる「ゴルフショップや工房で専門の道具を使ってシャフト交換をしてもらう」作業が必要です。
ちなみにリシャフトは1回につき数千円程度の費用がかかります。
また、リシャフト中は交換が完了するまでしばらくクラブを預けておかなければなりません。
費用がかかるうえに、預けている間クラブを使えないのは大きなデメリットです。
逆にスリーブ付きのシャフトの場合は自力で交換できますし、作業も慣れれば1分もかかりません。
この点だけでもスリーブのメリットがよくわかっていただけると思いますね。
さすがに最近はノンスリーブのドライバーなどを見かけることが少なくなりましたが、ノンスリーブのシャフト交換は手間と費用が掛かるということを覚えておきましょう。
ロフトやライ角も調整できる
自分のスイングに合わせてオーダーメイドしない既製品のクラブは、すでにロフト角やライ角がある程度決まっています。
いくつか選択肢があるのでその中から自分に合うスペックを選択することは可能ですが、そこからロフト角やライ角を変更するのは至難のわざになります。
昔は変更できないのが当たり前でしたが、この点もスリーブが登場したことでロフト角やライ角を”簡単に調整する”ことができるようになりました。
調整幅には限界がありますが、シャフトの向きを変えて挿し替えるだけで調整できるのは非常にラクですね。
ただし、スリーブの形状には2種類あり、
- 1段式
- テイラーメイド、ピンなど
ロフト角とライ角が同時に変わる - 2段式
- キャロウェイ、タイトリストなど
ロフト角、ライ角を個別に設定できる
という点には注意が必要です。
スリーブの注意点
ノンスリーブに比べると圧倒的にシャフト交換がラクになるスリーブ付きのシャフトですが、いくつかデメリットもあります。
メーカーによって形状が違う
まず、メーカーによってスリーブの形が違うことに注意しましょう。
たとえば、これはテイラーメイドのスリーブですが、
これを例えば、キャロウェイのローグやパラダイムシリーズに取り付けることはできません。
シャフトにテイラーメイドのスリーブがついている場合はステルスシリーズ・Qi10シリーズのヘッドに取り付けることができます。
専用のトルクレンチが必要
また、スリーブの取り外し・取り付けには専用のトルクレンチが必要になります。
これがないとスリーブの操作をすることができません。
昔はクラブを購入したときにトルクレンチはセットでついてきていましたが、今は新品クラブにトルクレンチが付属していない場合がほとんどです。
ただ、トルクレンチだけはメーカーが違ってもそのまま使えることが多く、スリーブごとに違うトルクレンチを用意する必要はありません。
とはいえ、トルクレンチを一つも持っていない場合は新しく購入しましょう。
*トルクレンチを探す
グリップに注意
グリップには握った時にフェースのアライメント(方向)がわかりやすくなる「バックラインあり」のものがあります。
スリーブ付きのドライバーやシャフトを使う場合はこのバックラインに注意しましょう。
なぜなら、ロフトやライ角を変更するのにシャフトの向きを変えると、バックラインの方向も変わってしまうためです。
「もうスリーブで一切調整しない」のであれば、そのままフェースに合わせてまっすぐに挿してもらって大丈夫です。
しかし、今後もスリーブで調整する可能性があるのであれば、バックラインなしのグリップを選ぶようにしましょう。
シャフトの交換方法
ここからはスリーブ付きシャフトの交換方法を解説していきます。
操作はいたってシンプルです。
画像のクラブはユーティリティーですが、ドライバーでもやり方は全く一緒です。
ヘッドのソール部分をのぞき込んで、このねじ(ボルト)部分をチェックします。
このねじ部分に先ほど出てきたトルクレンチを差し込みます。
トルクレンチは普通のねじと同じで、左回転でゆるみ、右回転で締まります。
最初はヘッドからシャフトを取り外す必要がありますので、左回転で緩めていきましょう。
親指と人差し指で挟みながらヘッドを吊るように持ち、残りの指でシャフトを掴んでいると外しやすいです。
このように完全にシャフトとヘッドが分離するまでしっかりねじを緩めます。
別のシャフトをヘッドに差し込みたい場合はここで違うシャフトにチェンジします。
同じシャフトでもロフトやライ角を変えたい場合は説明書などをチェックしましょう。
このタイトリストのユーティリティーはアルファベットと数字の組み合わせでロフトとライ角が変わるようになっています。
ちなみに説明書がない場合はメーカーのホームページなどをチェックしましょう。
今回はライ角がフラットになるようB・1に設定しました。
取り付けの時の注意点としては、このB・1をヘッドの目印のところにしっかり合わせることが大事です。
ここがずれてしまうと全く違う設定になりますので注意しましょう。
設定がしっかり確認出来たら、トルクレンチで今度は右回転でしっかり締めていきます。
*トルクレンチが「カチッ」と音がして回らないところまでしっかり締めるようにしてください。
締めきったらシャフト交換は終了です。
スリーブを変更するとロフトが変わる原理
スリーブを使用するとロフトを変更することができますが、その仕組みは結構単純です。
- ロフトを立てたい ⇒ フェースを右に向ける ⇒
フェースをまっすぐにするには被せる必要がある = ロフトが立つ - ロフトを寝かせたい ⇒ フェースを左に向ける ⇒
フェースをまっすぐにするには開く必要がある = ロフトが寝る
グリップエンドにあるロゴの向きをまっすぐにして比較した場合、これだけフェースの向きに差があることがわかります。
ここからフェースの向きをターゲットに合わせようと構えると、「イヤでもロフトが立ったり(寝たり)」するわけですね。
ちなみにこの原理があるため、フェースの向きを”ドローバイアス”に変更したい場合はロフトを+方向に調整するとよいです。
逆に捕まりを抑えたい場合は、ロフトを-方向に調整しましょう。
シャフトのスペックをチェックする方法
これまでスリーブ付きのシャフトの交換について説明してきました。
いろいろ違うシャフトを試すのも面白いですが、同じシャフトでもライ角やロフトを変えるだけでまた違った感覚や感触になるのもゴルフクラブの醍醐味です。
(ちなみにロフト角やライ角を上げると、球の捕まりが良くなるので一度試してみてください)
特にドライバーをここ最近で買った場合はほぼスリーブ付きのシャフトになっていると思います。
せっかくついているものですから、いろいろ試してみるのもおすすめですよ。
そして、ここからは番外編でシャフトの種類やスペックをチェックする方法を解説していきます。
人から貰ったクラブだったり、テキトーに中古でゴルフクラブをそろえた場合では「自分が一体どんなスペックのクラブを使っているのか?」と知らない人が多いです。
実際のところ、多少クラブのスペックがわからなくてもゴルフは楽しめます。
しかし、自分に合うクラブを追及したり、新作のクラブを試打・チェックしたりするのもゴルフの楽しみ方の一つ。
そして、ゴルフはシビアなスポーツであるがゆえにクラブの影響が大きいということもまた事実です。
そのため、多少なりともゴルフクラブに興味があるのだったら、”せめて自分が持っているクラブのスペックぐらいはチェック”できるようにしましょう。
ドライバーのシャフト
実はシャフトの種類が一番多いのがドライバーなどのウッド系になります。
シャフトが長いうえにタイミングなどがシビアですから、プロゴルファーやアマチュアゴルファーの要望に応えていると種類がどんどん増えていったという感じでしょうかね。
そして、シャフトには基本的にそのシャフトの名前やスペックがある程度表示されていることが多いです。
これは家に適当にあったドライバーのシャフトなんですが、これから読み取れるのは”TOUR AD DJ-6S GRAPHITE DESIGN”という部分になります。
このシャフトは”GRAPHITE DESIGN”というメーカーの「TOUR AD DJ」という製品名になります。
ですので、このシャフトのキックポイントや長さ、重さなどを詳細を知りたい場合は、この「TOUR AD DJ」というワードで検索するとよいです。
「TOUR AD DJ」の後にある6Sですが、これが意味するのが”60グラム台のフレックスS”ということになります。
ドライバーのシャフトにはこの6Sとか、5Xとか書いてありますので、ドライバーのシャフトをチェックするときはまずここを確認してください。
ちなみにここをチェックするだけで、ドライバーが「重いか・硬いか」が一目でわかります。
そのため、ラウンドの合間などでゴルフ談義するときのネタとしても使えます。
アイアンのシャフト
アイアンもドライバーと基本的に同じ見方をします。
とはいえ、アイアンのシャフトは種類が限られているので代表的なものをいくつか覚えておけば、調べなくてもある程度スペックがわかるようになったりします。
これはスチールシャフトのN.S.PRO MODUS3 TOUR120という製品名になります。
(NIPPON SHAFTはメーカー名)
ウッド系のシャフトと同じようにTOURの後についている120という数字が重さの目安となっています。
また、硬さを表すフレックスはSと表示されています。
ちなみにアイアンの場合は人気のあるシャフトとして
- ダイナミックゴールド・・・重い
- モーダス・・・中間
- N.S.950など・・・軽い
と、ざっくりですが、覚えておきましょう。
ちなみにN.S.950はこの緑色が目印です。
ユーティリティー
ついでなのでユーティリティーのシャフトもピックアップしました。
これはピンのG410ユーティリティーになります。
今までのものと比べるとだいぶ詳細にスペックが表示されています。
ロフトが19°、長さ(LENGTH)が40.25インチとなっています。
また、フレックスがXで重量が85gということになります。
ちなみにこのユーティリティーはカーボンシャフトです。
こうやってシール貼ってくれていると一番わかりやすいですが、使っているうちにシールが剥がれたりするのが難点ですね。
クラブの話は雑談に使える
番外編ですが、ドライバーやアイアンのシャフトを例にシャフトスペックの見方を説明してきました。
シャフトの知識を増やしながら、いろんなシャフトにチャレンジしてみましょう。
また、シャフトの種類を覚えるにはいろんなシャフトを見て、その都度調べることが大事です。
自分のクラブだけではなく、同伴者がどういったクラブを使っているのか?をラウンドの時にチェックするのも面白いです。
そして、シャフトの話がきっかけで同伴者と仲良くなったり、取引先とのゴルフ談義が盛り上がったりすることもあります。
「なかなかあの人と会話が続かないんだよな~」と思う人がいれば、シャフトの話でアタックしてみましょう。