
「タイトリストのドライバーが好きなんだよね」
「昔と今でどれぐらいドライバーの性能に差があるのかな?」
こんちには、FOLG編集部のミキです。
毎年いろんなメーカーから発売される新作ドライバー。
最新のクラブと昔のクラブ「一体どれぐらいスペックが違うのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
いきなり結論から言うと、今と昔ではゴルフクラブのスペックに大きな違いがあります。
調査する前は技術的に「そこまで大きな差をつけるのは難しいのではないか?」と個人的には考えていました。
しかし、実際はデータではっきりわかるレベルで大きな違いがあったのです。
この記事ではそんなゴルフクラブの進化をタイトリストのドライバーを中心にご紹介していきます。
ツアープロ志向でクラブを開発するタイトリストなら、ドライバーの進化をチェックするのに最適です。
最後までお読みいただくことで、今のドライバーがどれだけ優れているかわかるようになりますよ。
Miki/FOLG運営者
ゴルフ好きの経営者。モットーは”読者の方にマッチした情報をお届けする”こと。兵庫県在中、ゴルフ歴15年、アベレージスコア90前後、ベストスコア85
タイトリストドライバーの進化
今回の調査では1995年に登場したハウイッツァー・チタンドライバーから2021年に登場したTSiシリーズまでのスペックをまとめています。
ちなみにタイトリストの歴代ドライバースペックのデータはこちらの雑誌から引用させていただきました。
他のドライバーのスペックも載っていますので、気になる場合は一度チェックしてみてくださいね。
各項目の意味
歴代のドライバーを比較するときに参考にしたデータ項目です。
- 慣性
- 慣性モーメントの大きさ。ヘッドのぶれにくさや直進性に影響
- 実ロフト
- 実測したロフト角
- フェイス角
- シャフト軸とフェース面のズレ、+がシャット側、-がオープン側
- FP
- グースの度合い、数字が小さいほどグースが強い
- 重心位置
- 重心位置に関する項目はこちらの記事を参照
1995~2010年
まずは1995年~2010年を見ていきます。
表は文字が小さいですが、タップすると拡大できるようにしています。
ちょっと本数が多いのですが、2010年に登場したVG3までの17モデルになります。
90年代から2010年までの大きな変化はヘッド体積のアップになります。
ポイントはヘッド重量はほとんど変わらない(190~200g)のに、ヘッド体積が倍近くなっていることですね。
これはヘッドに使われている素材の進化が関係しており、軽量で丈夫なカーボンの影響が大きいようですね。
ちなみに肝心の慣性モーメントというヘッドの”ぶれにくさ”は昔に比べると、1.6~1.7倍ぐらいになっています。
ヘッドの大型化はこの慣性モーメントアップが目的となっていますので、納得のいく結果と言えますね。
重心に関する数値では年代の変化というより、同時期に発売したモデルごとに違いがある感じです。
(2000年代になってから、アベレージゴルファーとハードヒッター・プロ向けと明確に分けてクラブを設計しています)
ちなみにフェース面のエッジ部分から測る重心高だけはヘッドが大きくなるにつれて数値が上昇しています。
2011~2020年
こちらは2011年に登場した910D2・D3からTS1までの計17モデルです。
2010年に登場したVG3ですが、年代別に4種類存在しています。
(スペックも結構違います)
こちらのドライバーは先ほどと比べると数値的な変化は少なく見えます。
ただし、数値を平均値で見てみると、意外と差があるところがありました。
まず、一番変化が大きかったのが重心深度になります。
95~10年の平均が34.6mm、11~20年の平均が39.8mmとなっています。
バックフェース側が重くなると数値が上がる重心深度ですが、打ち出し角やバックスピン量に影響してきます。
(数値が上がると球が上げやすくなります)
昔に比べると重心深度が深くなっており、球をより拾いやすく・上げやすくしようとした開発意図が伝わってきます。
そして、次に変化していたのがフェースローテーションに影響する重心角です。
95~10年の平均が20.2°、11~20年の平均が25.4°となりました。
重心角は角度が大きくなると、フェースがかえりやすく、球の捕まりが良くなるようになります。
慣性モーメント増大の影響もあって、全体的にヘッドが捕まりやすい方向へシフトしていったようですね。
ですので、2011年以降は全体的に球を上げやすく、捕まりがいいヘッドが登場するようになっています。
2021年
こちらはメインのTS4、TSi2やTSi3を載せた表です。
一応比較できるように既出のスペックも追加で載せています。
一番わかりやすいのがTSi2なんですが、ヘッドの体積及び慣性モーメントが歴代のドライバーの中でも最高値になっています。
それでもヘッド重量は200gと昔からほとんど変わっていません。
重心深度も45mmで歴代ナンバー1です。
さらに重心角も30.3°で過去2番目の数値となっています。
球が上がりやすくて捕まりやすいドライバーの完成形だと言えますね。
まとめ
これまでタイトリストの歴代ドライバーの変化を見てきました。
触れてはいませんでしたが、グースや重心距離、フェイス角に大きな変化はありませんでした。
(フェイス角は基本的に±0か-側にあるのがベーシックですので、プラス数値のドライバーは特別だと考えた方が良いです)
そして、95~10年のスペック変化に比べると、11年以降の変化は細かい部分で少しづつ進化していったことがよくわかるかと思います。
「いうほど進化してないやん!」って感じるかもしれませんが、ドライバーの進化は打ちやすさや優しさの向上がメインであります。
数値で違いが出る以上に、実際打った時の感じ方は違ってきます。
その感じ方の違いがドライバーの進化になってくるわけですね。
ちなみに”反発係数”はルールの規制がありますので、実はドライバーの「飛距離はほとんど伸びていない」のが現状です。
ですので、本来であれば”ドライバーを飛ぶ・飛ばないだけで判断しない”ようにしなければなりません。
しかし、現状は試打などで飛距離データばかり気にすることが多いように思えます。
これをきっかけにドライバーの違う部分に目を向けてくださるとうれしいですね。
今回紹介したタイトリストの最新ドライバーであるTSRシリーズについてはこちらの記事でまとめております。
ぜひこちらものぞいていってくださいね。
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*参考雑誌