「ゴルフショットってなんであんなに難しいんだろ?」
「ボールが曲がる原理がよくわからないんだよな」
こんちには、FOLG編集部のミキです。
ゴルフはそもそもボールにコンタクトするのも難しいですが、さらにはそれをコントロールする必要があります。
ボールをしっかりコントロールするにはたくさんの練習が必要になることは当然ですが、それ以前に知識を身につけるだけでミスショットを減らせることがあるのをご存じでしょうか。
「なぜゴルフボールがその方向に飛んでいくのか?」
「どういう仕組みでゴルフボールにサイドスピンがかかっているのか?」
これらを知ることは、ゴルフを上手くプレーするうえでとても大切なことです。
なぜなら、ボールの飛び出し方向や回転する原理を理解できれば、意図的にボールを曲げることも可能となるからです。
実はゴルフはまっすぐ飛ばさなくてもいいスコアで回れますし、むしろプロゴルファーやシングルプレイヤーは意図的にボールを曲げてショットをコントロールしていることが多いです。
これは初心者やアベレージゴルファーも参考にすべき考え方であり、自分の思った方向にボールを曲げれるというのはゴルフをやるうえでとても心強い武器になります。
自分のベストスコアがかかった場面や競技などで相手と競っている場合には極度の緊張状態にさらされます。
こういった状況で例えば、左に曲げれる=絶対に右にはいかないという保険が効くのは非常に大きいことになりますよね。
自分のスコアが伸び悩んでいたり、ゴルフに対して迷いがあるなら、ボールの曲がりについて知識を深めていきましょう。
そして、この記事では”ゴルフボールが飛び出す方向やボールが曲がる原理”を解説しています。
最後まできっちり読むことできっとボールをコントロールするヒントが見つかるはずですよ。
Miki/FOLG運営者
ウェブサイトを運営しながら、ゴルフショップで修行中の身。本業は自営業。大阪府在中、ゴルフ歴10年~、アベレージスコア90前後、ベストスコア84
ゴルフボールの回転方向を理解する
ゴルフボールの回転と言っても、実はボールの回転方向には種類があります。
初心者の場合はまず言葉を覚えるのが大変だと思いますが、なんとか頑張っていきましょう。
スライス
最初にボールが飛び出した方向より、右側に大きく曲がっていくのをスライスと呼んでいます。
初心者ゴルファーの誰しもが経験する回転ボールになります。
上に吹き上がりやすく、ボールが止まりやすいのが特徴になります。
そのため、ドライバーでスライスしてしまうと恐ろしく飛びません。
たまに勘違いされている方がいるのですが、右方向に飛んでいけば「なんでもスライス」というわけではありません。
打ち出しの方向が自分が思っていたより右方向に飛んだ場合には「プッシュアウト」、さらにそこから右方向に曲がっていくと「プッシュスライス」という球筋になります。
スライスとプッシュアウトは球質が全然違いますので、混同しないようにしましょう。
フック
フック回転はスライスと真逆のサイドスピンになります。
最初にボールが飛び出した方向より、左側に大きく曲がっていきます。
こちらはスライスとは逆でボールが低く飛び出しやすく、かつバックスピンが少ないのでよく転がります。
そのため、ドライバーなどではフック回転の方がよく飛びます。
こちらも”はじめから左方向に飛んでいく”のと、”途中から左方向に曲がる”のとでは、球質が大きく異なってきます。
ちなみに曲がりがキツく、球が低い時には「ひっかけた・チーピンになった」という表現をすることもあります。
ドロー・フェード
左に曲がるのがフック、右に曲がるのがスライスですが、それらよりも曲がり幅が少ないサイドスピンをドローとフェードという呼び方をしています。
厳密にサイドスピンがいくらとか、曲がりが何ヤード以内とか、そういった定義はありませんが、目視だとほとんどまっすぐに見える球種のことをドローやフェードと呼ぶことが多いですね。
ほとんどのプロゴルファーがこのどちらかの球筋を持ち球にしている or コースによって打ち分けています。
そして、持ち球によってドローヒッター・フェードヒッターと呼ばれたりします。
なので、アマチュアゴルファーが最終的に目指すべきところは持ち球を持っているゴルファーになることです。
そして、そのためにまずは自分が「ドロー・フェードどちらが打ちやすいか?」を知ることが大事です。
ドロー・フェードを打ち分けることができれば最高ですが、おそらくどちらかが得意でどちらかが不得意になる場合が多いです。
ちなみに私はドロー・フック系のボールが打ちやすく、フェード・スライス系が打ちにくいです。
そして、これに関しては後述するスイング軌道が関係してきます。
曲がり方のまとめ
これまでの説明を踏まえたうえでボールの曲がり方をまとめたモノを図にしてみました。
自分が練習で打った球がどれに該当するか意識しながらやるとすぐに覚えられると思います。
ゴルフボールが回転する原理
ここからはゴルフボールが回転する原理について解説していきます。
結論から言うと、ボールの回転はクラブヘッドとボールとの摩擦によって発生します。
そして、これには”クラブフェースの向き”と”クラブを振る軌道”が大きく関係してきます。
フェースの開閉
ゴルフボールにインパクトした時のフェースの向きはとても重要です。
また、その時フェースが向いている方向にもそれぞれ呼び方が存在します。
基本的に目標方向に対してフェースの向きがどうなっているか?が大切であり、目標に対して
- スクエア(まっすぐ)
- クローズ(閉じている)
- オープン(開いている)
の3種類になります。
スクエアは”目標方向にまっすぐである”ということで問題ないと思いますが、クローズ・オープンに関しては初心者の方にはわかりづらいと思います。
右打ちのゴルファーを基準にすると、
〇目標方向よりフェース面が左側を向いている場合をクローズ
〇目標方向よりフェース面が右側を向いている場合をオープン
と呼んでいます。
捕まえる・逃げる
たまにボールが捕まった・逃げた(滑った)という表現をすることもあるのですが、この場合では
- 捕まった=クローズ
- 逃げた(滑った)=オープン
という認識になります。
基本的にゴルフクラブは何も考えずにスイングするとフェース面がオープン側に行きやすく、クローズ側(閉じる側)にプレイヤーが力を加えていく必要があります。
閉じる方向にフェース面を動かす感じが「ボールを包み込むような感じ」になるため、捕まえるという表現をするようになったようです。
ちなみに、ボールを捕まえるにはしっかりクラブに力を伝えなければいけないため、(方向性は無視して)捕まえれば捕まえるほどボールは飛ぶようになります。
逆に逃がす方向にすればするほど、ボールは飛びにくくなります。
ですから、初心者ゴルファーはまずボールを捕まえる練習からやっていくことが多くなっています。
ボールの打ち出し方向
ショットをしたときにボールが飛び出す方向(打ち出し方向)は、クラブヘッドのフェース面の向きが大きく関係してきます。
というより、打ち出しの方向はほぼフェース面の向きで決まると言われ、どんな振り方をしたとしても、インパクトの瞬間のフェース面の向きに依存することになります。
昔はスイングの軌道(クラブを振った方向)に依存すると言われていましたが、ファントムカメラなどインパクトの瞬間を超スローで確認できる技術の登場により、フェース面の向きが重要であることがわかりました。
ですので、ゴルフスイングはフェース面の向きが非常に重要であり、このフェース面を基準のボールの回転を考える必要があります。
軌道とサイドスピン
ボールの回転には摩擦が関係していると書きましたが、この摩擦はフェース面の向きとクラブの通り道(軌道)のズレによって発生します。
つまり、「フェース面に対するクラブの軌道」が重要になってきます。
- フェース面に対してクラブの軌道がインサイドアウトの場合はフック回転
- フェース面に対してクラブの軌道がアウトサイドインの場合はスライス回転
また、よく勘違いするのですが、スイング軌道と「フェース面に対するクラブの軌道」は全くの別物になります。
たとえ、スイング軌道がインサイドアウトであったとしても、クラブのフェース面が思いっきりオープンになっていれば、「フェース面に対するクラブの軌道」はアウトサイドインとなり、右に飛び出した後スライスしていきます。
(これが俗に言うプッシュスライスの原因です)
なので、インサイドアウトに振ってるのにドローやフックにならないのは単純に「フェース面のクローズが足りない」ということになります。
ボールの曲げ方
ここまで理解するとどうやったらフックボールやスライスボールが打てるのかなんとなくわかってくると思います。
極論を言えば、どのようなスイング軌道だろうと、フェース面を思いっきりクローズにすれば絶対にドロー・フックになりますし、フェース面を思いっきりオープンにすればフェード・スライスになります。
もちろんこれはボールの飛び出し方向を無視した話になります。
実際にゴルフのスコアメイクに役立つボールの曲げ方は
- 左に打ち出してフェードボールで真ん中に帰ってくる
- 右に打ち出してドローボールで真ん中に帰ってくる
という球筋になりますが、なかなかそれを習得するのには練習量が必要です。
意図的にボールを曲げることをインテンショナルフック・スライスと呼びますが、これらを打つ方法は人によって様々です。
ですから、フェース面の向きとフェース面に対するクラブの軌道を意識しながら、いろんな球筋を練習してみましょう。
球の曲がり方まとめ
これまでボールの回転方向や曲がり方について解説してきました。
- 途中から大きく右に曲がるのがスライス
- まっすぐ右の飛んでいくのはプッシュアウト
- 途中から大きく左に曲がるのがフック
- まっすぐ左に飛んでいくのは引っ掛け
- 曲がり幅が小さいのがフェードとドロー
- ボールの飛び出し方向はフェース面の向きで決まる
- フェース面に対するスイング軌道により、曲がり方が決まる
という部分をしっかり理解するようにしましょう。
実は今回の解説では話がややこしくなるのでギア効果というものを省略していました。
このギア効果もボールの回転に大きな影響を与えます。
詳細が知りたい場合は
「まっすぐ振ってるのにボールが謎に曲がる」 「芯に当たらないと変な飛び方をする」 こんちには、FOLG編集部のミキです。 ゴルフボールが回転する原理は非常に複雑であり、初心者ゴルファーがボールの曲がり方を理解するのは難し …
ご参考になれば幸いです。
中級者ゴルファーを悩ますチーピン
スライスを克服した中級者ゴルファーが次に悩まされやすいのが、チーピンという球筋です。
ちなみに麻雀パイのチーピン(7のピンズ)と見た目が似たような球筋でボールが飛んでいくため、そう呼ばれるようになったみたいです。
スライスとは真逆のフック回転になりますが、”出球の高さがものすごく低い”こともチーピンの特徴になります。
チーピンボールはスライスボールと違い、地面をよく転がっていきますので、OBに繋がりやすい危険な球筋です。
私自身も気を抜いているとラウンド中に出てしまいますし、ベテラン選手やプロゴルファーにも多いミスショットです。
チーピンの頻度が多くなってしまうと、クラブを振るのが怖くなってドライバーの飛距離が落ちたりします。
チーピンを考察
これまでも説明してきましたが、サイドスピンがかかってしまう原因は「スイングの方向とフェースの向きとのミスマッチ」となり、これはフック回転でも同じ原理です。
そのため、チーピン(ひどいフック)の原因は
- 極端なインサイドアウト軌道
- インパクト時のヘッドの被り(極端なクローズ)
これらどちらかが原因となります。
それぞれの見分け方としては、チーピンした時の球の高さで確認します。
かなり、出球が低い場合は②のヘッドの被り。
比較的球が高い場合は①のスイング軌道が原因のことが多いです。
また、フェース面の先っぽにインパクトすると、ギア効果でフックしやすくなりますので覚えておきましょう。
ただし、こちらは先っぽすぎると、逆にインパクトした瞬間に”フェースを開こうとする方向にクラブが持っていかれる”ため、意外とひどいチーピンになりにくかったりします。
ですので、チーピンの場合は先ほど説明したスイング軌道やヘッドの被りが主とした原因になります。
チーピンを直す方法
チーピンを改善するには、まず原因を特定する必要があります。
先ほど説明した①のスイング軌道か②のヘッドの被りか、どちらが原因なのかしっかり調査を行いましょう。
スイング軌道が原因の場合
- オープンスタンスにする⇒距離は落ちるが、軌道はスクエアに近づく
- カット打ちの練習をひたすら行う(シミュレーターなどを使い、インサイドアウト軌道の角度も調査)
スイング軌道を直すのは意識やクセの問題もあり、かなり時間がかかります。
地道ですが、逆球が打てるようにカット打ちの練習をひたすら行うしかありません。
練習時間がない場合は飛距離が落ちますが、オープンスタンスを試してみましょう。
ヘッドの被りが原因の場合
ヘッドが被っている場合は、グリップやリリースを見直す必要があります。
以下の点に注目してみましょう。
- 極端なフックグリップになっていないか?
- ちゃんと飛球線方向にリリースできているか?
- 腕のローテーションが強すぎないか?
リリースの方向や腕のローテーションはスイングの修正が必要です。
そのため、時間がかかりますが、グリップの見直しは割とすぐに修正ができます。
スライスしてたときのクセでフックグリップを強くしている人も多く、それが原因でインパクト時にヘッドが被りやすくなります。
少しグリップをスクエアに戻す調整を試してみましょう。
また、応急処置ですが、左手のグリップ圧を強めるとヘッドが返りにくくなります。
ラウンド中など困った時に試してみましょう。
クラブを見直すのもアリ
これらをチェックしても、なかなか修正が難しい場合はクラブの変更を検討してみるのもアリだと思います。
最近のクラブはセットアップで”フェース面が無意識に左側を向くよう”に設計されていたり、ヘッドの重心位置を変えてフェースが閉じやすくなっていたりしているからです。
フェースアングルや重心位置など、しっかりクラブのスペックをチェックするようにしましょう。
また、シャフトも先調子のものを使っていないかなど、チェックするのも大事です。
キックポイントが先側にあると、スイング中にヘッドが返りやすくなるためです。
一番確実なのはフィッティングを受けることなんですが、時間が限られていると思いますので、まずはシャフトのスペックを調査してみましょう。