クラブヘッドの重心を理解して自分に合うヘッドを見つける

「クラブの重心ってよく聞くけど、何のことかさっぱりわからない、、、」

こんちには、FOLG編集部のミキです。

世の中にはいろんなメーカーからたくさんの種類のゴルフクラブが発売されています。

「その中から自分にマッチするクラブを探す」のは、非常に大変な作業になります。



とはいえ、闇雲にクラブを選ぶのは非常にリスクが高くなります。

ゴルファーそれぞれにスイングの特徴がありますし、出やすい球筋などにも個人差があります。

一番確実なのは「気になるクラブをすべて試打する」ことでありますが、時間や費用に限りがあるアマチュアゴルファーにはすべてのクラブをチェックすることは不可能に近いです。

できるだけ自分のスイングの特徴や感覚にあうクラブヘッドを事前に「絞ることができれば自分に合うクラブヘッドを見つけやすく」なります。



その手助けになるのがクラブヘッドの重心を理解することになります。

この記事を書いた人

Miki/FOLG運営者
ゴルフ好きの経営者。モットーは”読者の方にマッチした情報をお届けする”こと。兵庫県在中、ゴルフ歴15年、アベレージスコア90前後、ベストスコア85

クラブヘッドの重心

物理的な説明だと難しくなるのですが、重心とは「質量の中心」にあたります。

この質量の中心がクラブヘッドのどの部分に位置しているか?が重要になります。

そして、ゴルフクラブでは重心の位置を数値化しており、具体的には

  • 重心距離
  • 重心深度
  • 重心高
  • 重心角

と、評価しています。

ヘッドの重心距離

重心距離とは”シャフトの延長線上の線からフェース面の重心までの距離”です。

ゴルフクラブも野球やテニス、卓球などのようにシャフト軸上に重心を持ってくる方が操作は非常に簡単になります。

とはいえ、大体のゴルフクラブがそうなっていないのは、「シャフト軸上に重心を持ってくると飛ばなくなる」からです。

シャフト軸上から重心の位置を離すことによって、インパクト時のエネルギーを大きくすることができます。

物理的な理由なので詳細は割愛しますが、大事なのは”重心距離が長くなればなるほどインパクトのエネルギーが大きくなる”ということです。

また、ヘッドのローテーション(ターン)も重心距離が長くなるほど緩やかになるので、フェースが右を向いてインパクトしやすくなるという特徴もあります。

ただし、ボールが飛びやすくなる半面、ボールへのコンタクトが難しくなるということも理解しておきましょう。

ちなみに初心者向けのゴルフクラブにはあえて重心距離を短くしているタイプのものも存在します。

ヘッドの重心深度

重心深度は文字通り「重心の深さ」を表していますが、「フェース面からバックフェースまで間のどの位置に重心があるか」を表しています。

重心深度が深いほど(ヘッド後方が重くなり)フェースが上を向きやすくなるため、球が上がりやすくなります

よくヘッドのバックウエイトを調整する機能がついていますが、バックウエイトの重量を増やすことで球が上がりやすくなるのはこの原理ですね。

重心深度は深いほどボールと重心との距離が離れるため、インパクトした時の衝撃に負けずらくなり安定します。

そのため、スピン量や飛距離、方向性などが安定することになり、メリットがいっぱいあります。

しかし、ヘッドスピードが速い人やもともと球がしっかり上がっている人にはデメリットになることがあります。

その人たちにとっては「球が吹き上がって全然飛ばない」ヘッドという風になってしまうからですね。

そのため、ゴルファーによって合う重心深度が変わってくることを覚えておきましょう。

アイアンヘッドの重心高

クラブのリーディングエッジから重心までの長さを重心高と言います。

重心が低い位置にあると物理的にヘッドがボールの下に入りやすく、ボールは上がりやすくなります。

地面から打つクラブは重心位置が低めに設定されていることが多いです。

ただし、低くしすぎるとラフなどのボールが浮いた状態でインパクトした時にスピン量が大きく減ることがあります。
(ギア効果で重心の上に打点がくると、スピン量が減ってしまいます)

*ギア効果についてはこちら

ドライバー以外のクラブは縦距離やスピン量の安定感が非常に大事ですから、低重心化したクラブはそういった面では不利になります。

スピンや縦距離の安定性や追求するならある程度重心が高いほうが良いでしょう。

ドライバーヘッドの重心高

ドライバーの場合は数値の出し方がアイアンなどと反対になります。

クラウン側から重心までの距離を重心高または有効打点距離と呼んでいます。

重心より高い位置に打点が来ると、ギア効果によりスピン量が減少します。

そのため、ドライバーの重心高はできるだけ高いほうがメリットがあるように思えますが、打点のバラツキで出球が安定しないというデメリットもあります。

要するにここもバランスなんですが、ドライバーの球を自分でしっかり上げれてスピン量も安定している人は、わざわざ重心が高いドライバーを選ぶ必要はありません。

ドライバーショットがフェースの下側に打点が来やすく、スピン量が多い人などはドライバーの重心が高いほうがおすすめですね。

ヘッドの重心角

自然にクラブを水平にした時に「クラブフェースがどれぐらい上を向くのか?」を表したのが重心角になります。

重心角はボールの捕まりに大きく影響します。

角度が大きいほどフェースがかえって捕まりやすくなり、数値が小さいほどチーピンなどのミスはでづらくなります。

こちらも自分のスイング特性に合わせて数値を判断するべきですが、スライサーの人は重心角が大きいタイプ、左へのミスが多い人は重心角が小さいタイプを選ぶとよいでしょう。

重心角は平らな机などにシャフトを置くだけで視覚的に判断できるため、自分の持っているクラブとこれから購入する予定のクラブで比較することが簡単ですね。

まとめ

これまでクラブの重心について様々な数値を説明してきました。

どれもボールの弾道や飛距離、スピン量に影響してきますので、クラブ選びではしっかり意識したいポイントになります。

ちなみに重心高はドライバーとそれ以外のクラブで測り方が真逆になることに注意が必要です。
(とはいえ、重心高が高いほうが球が上がりやすいというのは共通しています)

各メーカーは素材や形状を工夫しながら新規クラブを設計・開発しています。

そういった努力の結晶がこうしたクラブの数値にあらわれるわけですね。



クラブヘッドの構造は非常に複雑であり、さまざまなデータが数値化されています。

数値化されているデータにはそれぞれ意味があるのですが、その意味を理解することによって、データからクラブヘッドの特徴を知ることができます。

ご参考になれば幸いです。